100年時代の人生にお金の運用を考えるにあたり、「月額△万円を〇〇年資産運用した場合、どのくらいの金額になるのか」といった試算や「今ある貯蓄を資産運用する場合、〇〇年後にはいくらになるか」といった資産運用、「〇〇年後に△△△万円貯めるのに、年間どのくらいの金額をどのくらいの利回りで積み立て運用すれば達成できるのか」等を計画する前に「どのくらいの運用効果が見込めるか」を具体的に知っておきたいものです。
そんな時に使える、とても便利な6つの係数と簡単な計算方法をご紹介します。
利回りについて(単利と複利の違い)
利回りとは、元本に対する1年あたりの平均利率を指します。わかりやすくいうと「運用したお金が1年後に何%上乗せされているか」ということです。また、金利には「単利」と「複利」2種類が存在します。
単利とは、元本に対して利子が毎年そのままの率でつくことを意味します。例えば、元本100万円を5%利率で単利運用した場合、1年後の増加額は5万円、2年後なら5万円×2年分の10万円となります。
一方複利とは、元本+利子に対して利子がつきます(増えた利子に対しても利子がつきます)。例えば、元本100万円を5%利率で複利運用した場合、1年後の増加額は単利と同じ5万円ですが、2年後となると5万円+5万2,500円=10万2,500円となります。
年数が短いとその差額はわずかに見えますが、複利は利子を含めた合計額に毎年利子が発生するため、年数が長くなればなるほどその効果が高まっていきます。ちなみに元本100万円を単利5%で運用した場合、20年後の増加額は単利だと100万円となりますが、複利だと165万3,000円となり、大きな差が生じます。
6つの係数その① 終価係数
終価係数とは、現在保有している元本資金を、一定期間(何年間)・一定の利率で複利運用した場合、将来受け取ることができるのはいくらになるかを求める際に使用する係数です。「今持っている100万円を利回り5%で運用した場合、20年後にいくらになっているかを知りたい」といった場合に使います。 ※答えは265万3,000円
現在の貯蓄を複利資産運用した場合、どのくらいの増額があるかを検討する際に使える係数です。
6つの係数その② 現価係数
現価係数とは、一定期間(何年間)・一定の利率で複利運用を計画する場合、現在いくらの元本資金が必要かを求める際に使用する係数です。「利回り5%で10年後に200万円を受け取るには、現在いくらあればいいのかを知りたい」といった場合に使います。※答えは122万8,000円
結婚資金・住宅頭金など、将来に必要な額からの逆算で資産運用を考える際に使える便利な係数です。
6つの係数その③ 減債基金係数
減債基金係数とは、将来の一定期間(何年間)後に必要な資金を得るために一定の利率で複利運用を計画する場合、毎年いくらずつ積み立てをする必要があるか求める際に使用する係数です。「利回り5%で20年後に1,000万円を受け取るには、毎年いくらずつ積み立てをすればいいのかを知りたい」といった場合に使います。※答えは毎年30万円ずつの積み立て(月換算なら毎月2万5,000円ずつの積み立て)
老後資金として積み立てNISAを目標額から検討する際などに使える便利な係数です。
6つの係数その④ 資本回収係数
資本回収係数とは、現在保有している資本を一定の利率で複利運用しながら、一定期間(何年間)取り崩していく場合、毎年いくらずつ取り崩すことができるかを求める際に使用する係数です。「保有資本1,000万円を利回り5%で20年間にわけて受け取る場合、毎年いくらずつ受け取ることができるかを知りたい」といった場合に使います。※答えは毎年80万ずつの受け取ることができる
退職後、退職金や貯蓄を元に複利資産運用した場合、毎年いくら受け取れるかを試算する場合等に使える係数です。
6つの係数その⑤ 年金終価係数
年金終価係数とは、一定期間(何年間)・一定の利率複利運用で毎年積み立てをした場合、将来受け取ることができるのはいくらになるかを求める際に使用する係数です。「利回り5%で毎年20万円を積み立てた場合、20年後にいくら受け取ることができるのかを知りたい」といった場合に使います。※答えは661万3,200円
無理のない範囲で積み立てNISAを始めたい場合、将来いくらの受け取りができるかを知りたい場合等に使える係数です。
6つの係数その⑥ 年金現価係数
年金現価係数とは、一定の利率で複利運用しながら、毎年一定額を一定期間(何年間)取り崩していく場合、いくらの元金が必要かを求める際に使用する係数です。「利回り5%で複利運用しながら、毎年100万円を20年間取り崩していく場合、いくらの元金が必要かを知りたい」といった場合に使います。※答えは1,246万2,000円
老後の生活費確保のために、いくらの貯えが必要かを試算する場合等に使える係数です。
6つの係数を使った簡単な計算の仕方
ご紹介した6つの係数はこちらのサイトを使って利率と年数を入力するだけで、簡単に知ることができます。上記6つ係数の中から知りたい係数を抽出し、電卓を使って金額×係数で知りたい金額を求めることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?巷では「運用でお金が増える」「複利効果は絶大」といった謳い文句の記事を目にすることが増えていますが、「実際はどのくらいのお金をどう運用すれば何年後にいくらになるか」「目標とする額を得るためにはどのくらいの期間をいくら運用すればいいのか」などを具体的に知ることが大切です。
今回ご紹介したツールを有効に利用していただき、大切な資産を計画的に運用することをおススメします。
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